2014年5月5日月曜日

2014年GWは鳥海山ヘ遠征す

5月2日(金)~5日(月)

去年までの3シーズン、GWは白馬・蓮華温泉エリアに入っていたが、そろそろ違うところに行こう
ということになり、鳥海山を選んだ。

狙いは北面、中島台から千蛇谷を詰めて新山に登る長大なコース。

パーティーはいつものUさんに八甲田修行のKさんが入り、MさんとUさんの友人のKwさんも加わって
賑やかな5人になった。



鳥海山北面
赤: 中島台-千蛇谷-新山ルート  中島台470m/新山2236m 標高差1766m
             青: 祓川-七高山ルート  祓川1050m/七高山2229m 標高差1179m
 2日(金)

関越道‐新潟経由、秋田県にかほ市、鳥海山北山麓の中島台まで約530km。
Kさんと嵐山SAで05:30に合流し、4連休の前の平日ということもあり順調に走った。
昼飯は鶴岡市羽黒町の笹川食堂の肉うどんを食べた。(後述)
14:30にKwさんをJR象潟駅で拾い、酒等を仕入れて15時過ぎには中島台レクリエーションの森に到着。
北日本は低気圧の抜けが悪く、時折り雨がぱらつく中テントを張った。
ちゃんこ鍋を食らい、翌朝の早出に備えて早々に寝た。

オジサン達の夕餉: ちゃんこ鍋
 
 
3日(土)
 
夜、満天の星空だった。
快晴で夜が明けたが、″ヤマテン″の気象予報では13時頃相異(弱い寒冷前線)が通過するので
天候が急変し、風も強くなる予報が出ていた。
準備にちょっと手間取り、04:45にスキーを背負って出発。
雪消えが意外に早く獅子ヶ鼻湿原出水(でみず)のところからブナ林に分け入る。そこから30分は
歩いて雪が繋がるようになりスキーを着けた。赤川と鳥越川が合わさる手前の尾根上のところで
我々倶楽部の後輩のUt君が追いついてきた。彼もたまたま鳥海山に来ることになっていて
我々が千蛇谷に入るのを知ってこちらに回ってきたのだ。
赤川と鳥越川が合わさると、ブナ林も疎くなり目指す新山が目の前の現れ、広大な雪の谷に入っていく。沢芯に近いところをただひたすら歩みを進める。山が大きくなかなか風景が変わらない。
七五三掛(しめかけ)下(1,700~1,800m)の急登が長くてつらい。この頃から風も強くなって、
時折り息を伴って体を持ち上げるように吹くようになった。七五三掛(しめかけ)からのルートを合せると
いよいよ千蛇谷への入谷となる。荒神ヶ岳下のハイ松が出ているところ(1,900m辺り)で一本取ったが
時間はもう昼近くになっていた。若く肢達者なUt君とその友人がこの時点で山頂から滑ってきた。
頂上は強烈な風だと言う。そうこうしていると先行していたMさんがやはり風が強すぎるとして
頂上を断念して下りてきた。残りの4人は最終下山開始を14:00として行けるところまで行ってみることにして進んだ。
風は時折り爆風的に吹き、体重の重い僕は倒されなかったが他の3人は何回も倒された。
海の近くの独立峰の鳥海山ならではの風、、、 4人は少しずつ距離が離れたいたが、ほぼ同じ
タイミングでストックでXを示して、撤退を決定。大物忌神社の一段下の窪地辺り。標高2,050~2,100m。時間は12:50だった。
強風の中で苦労してシールを剥がし、滑降の準備をしていると雲が外輪山を越えて流れてくるようになった。その様はまるで竜が手足を鷲掴みに伸ばすようだった。
いよいよフロントの到来だ。そして山はあっというまに濃いガスに包まれた。
13:10、滑走を開始。しかし眺望は失われ、登高の苦労を報いるはずだった大滑降が台無しになってしまった。視界10m以下の霧の中をそろそろと先行者のシュプールを追いかけていくように下降を続けた。
鳥越川と赤川の合流する地点、950mあたりでようやくガス切れたが滑走は実質終わりだった。
15:10に雪が切れスキーを脱いだ。
この時、先に下りているはずのMさんが後ろから現れ、びっくり。ガスでルートを失い、鳥越川を
下り過ぎて脱出してきたという。大事に至らずに良かった、良かった。
16:05、車に戻った。
 
この日の宿は、由利本庄市鳥海町猿倉に40kmほど山麓を移動して、湯の沢温泉『ホテルまさか』。
サラッとした肌触りのよい温泉で汗を流した後、酒を飲みながら話し、明日はピークに立ちたいと
祓川から七高山に登ることにした。
 
 
 


出発の中島台レクリエーションの森  獅子ヶ鼻湿原
雪が切れて1時間以上はスキーを背負って歩いた

スキーが履けてブナ林を登る 

後輩のUt君とその友人が追いついてきた
903m地点
眼前に新山が現れた
遠い!
左岸には稲倉岳の岩壁が迫る

広大な谷をじりじりと高度を上げる

外輪山から千蛇谷に降りる七五三掛が見えてきた
この下の登りがキツイ!
荒神ヶ岳下のブッシュで一本
この時点で正午近く、あと2時間近くかかるか・・・
雲がわき外輪山を雲が越えるようになりはじめた

写真で風は写せないが暴風状態
撤退決定地点、2050m辺り 頂上まで残り180m 12:50
上の点はKさん
この後すぐにホワイトアウト

赤川に架かる橋まで下りた
濃いガスの中の下降でなんとなくしっとり濡れている
もうすぐゴール
 
 
 
 4日(日)
 
この朝も04:00には目が覚めた。
外を吹く強い風の音が聞こえた。夜明けの七高山上部にはガスが雲がかかっていた。
06:30に朝食を取るころには雲が撮れて純白の七高山が姿を現した。
 
『ホテルまさか』の社長の真坂(和義)さんはなかなか面白い親父さん。
自分でも雪の鳥海に登り、鳥海を知り尽くしている方のよう。
記念写真のシャッターを押して、見送ってくれた。
 
祓川まではオコジョランドスキー場を経てすぐ。8時過ぎに駐車場に着くともうほぼ満車状態。
七高山の斜面には蟻のような行列ができていて昨日の中島台コースとは雰囲気が大違い。
 
出発準備をして08:50、出発。
途中2回長めの休みを入れて13:05、七高山の山頂着。
よく晴れているが、昨日より気温が低目で最後の300mはクラストした雪にスキ-アイゼンが有効だった。
 
頂上は鈴なりスキーヤー、ボーダー、登山者。
新山の肩越しに昨日登った千蛇谷が見下ろせ、その先に象潟の海岸線があった。
 
13:55、滑降開始。
最初の大斜面はクラストがきつくガリガリで快適とは言えなかったが、その下からはフィルムクラスト、ザラメと
スキーを操作し易い雪が続き、標高差1,100mの楽しい滑走を満喫したのだった。
本日も無事終了、15:30。
 
この日の宿は象潟近く、金浦温泉『学校の栖』。
そのまでの道中、鳥海山北面の美しく、雄大な姿に何度も車を停めて見入ってしまった。
山麓に広がる人々の暮らしの営みの風景も美しく、何度も訪れてみたいところだと思った。
 

猿倉・湯の沢温泉『ホテルまさか』みる朝の鳥海山

今回の5人組

頂きへ歩みを進める


七高山山頂より前日登った千蛇谷を見下ろす
稲倉山の向こうに象潟の海岸線と日本海

七高山山頂

祓川コースを下山する
下部はザラメのとてもメローな滑走

鳥海山大物忌神社信仰の解説

雪の鳥海をバックに婆さんが田圃の畔塗りの準備をしている
この光景が「美しい日本」なのだ!

 
 
 
5日(月)
 
渋滞が予想されるので、朝飯の後、即刻往路と同じルートで帰宅の途についた。
07:40、象潟出発。
新潟県内も渋滞こそないが車の量が多く、昼飯時の越後川口SAも大混雑。食べ物を買って
車に持ち込み、そうそうに退撒。
関越トンネルを越え沼田を過ぎた赤城から渋滞が始まり、高坂過ぎまではノロノロだった。
それでも16:30、無事帰宅、鳥海山遠征を終了した。


国道7号線、酒田市日向川辺りから鳥海山を振り返る
サヨナラ、鳥海山
また来るね!



付録

 
山形県庄内 鶴岡市羽黒町に『笹川食堂』がある
肉うどんを供する メニューは肉うどん 並・中・大のみ
お客さんは圧倒的に地元の人が多い
肉うどん大@750円を食した 麺は柔か目で肉は豚 つゆは適度に甘からい
この店は肉うどんだけでこんな立派な店舗を建てた 中の床柱も太く立派である
 



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